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ナラティブRBA奨励賞

2008.12.09

2008年11月MVP受賞 受賞者2名 介護老人保健施設希望の杜 渡辺春恵さん/ケアホームさくらの杜 伊藤洋子さん

■推薦者:介護老人保健施設希望の杜 大崎美智子係長
■対象者:介護老人保健施設希望の杜 渡辺春恵さん

彼女はいつも「気にしないです~。何でも言ってください!」と明るく、二つ返事で返してくる。しかし、返事は良いものの、なかなか仕上がってこない・・・。こんなやり取りが3ヶ月過ぎ去ろうとした頃、私はこの不思議な現象に興味が湧き、ストーカーの様に観察始める。しかし、彼女の前向きな姿勢・見落としそうな所への配慮・学生指導者の統括としての助言、指導の的確さ・くじけそうになっている後輩への励ましや相談役・そして、滅多にない明け番を含む連休を使って、県外で病魔と認知症と戦っている祖父のもとへ元気付けにいくなど多様な顔を持っていることに気づく。そして、普段の息つく暇もない業務をこなしながらも、利用者との関わりを人一倍楽しみ、周りの職員全員を巻き込んでいく魔法の様な力を持っている。そんな彼女がフロアに居るとすずらんの花の様にどこか懐かしく、ふんわりした安らぎを感じる。返事はするけど、姿は見えず・・・しかしこの摩訶不思議な現象を、楽しんでみると文章が並ぶ書類で仕上がってこなくても、しっかりと現場に浸透し組織としては申し分ないほどに変化が見られていたりする。こんなにも楽しく・自由に・笑って仕事ができるフロアであるのも彼女の形に捕らわれない、だけどみんながまとまって仕事をしよう!!と前向きになれる不思議な魅力があるからでしょう。今年四月から、フロアリーダーとなりリーダーとして仕事の幅が広がる事で悩み・苦戦することも多かったと思いますが、頼んだ仕事は返事の次にしっかりと文章にても仕上げてくるようになり、力不足の私の悩みまでも引き受けてくれる心穏やかなリーダーへと急成長しました。今回、我が事業所で初めての看取りを行うかどうするかと悩んだ時も、家族が居ない時に一人で生涯を終えるよりも、ここでみんなに見守られて安らかに生涯を終えて欲しい・・・。彼女のこの言葉にはいろいろな想いがあったのだと思います。県外に住む祖父に寄り添い、看取ることとはできるのだろうか・・・と。しかし、彼女は後ろなど振り向かず、まっすぐ前を見つめ、職員一人一人が寄り添い、知恵と力を出し合い、穏やかな人生を終えられるようにと、看取りチームの中心となる事を引き受けてくれました。今後も不思議な力で包み込んでいくであろう彼女をMVPに推薦させていただきます。


■推薦者:ケアホームさくらの杜 鈴木みゆき係長
■対象者:ケアホームさくらの杜 伊藤洋子さん

今回は、認知症が深くなり言葉でのコミュニケーションが難しくなったかたちとの、関わりがとてもうまい彼女を推薦いたします。彼女はお年寄りの心の中に、そっと・うまく入り込みます。お年寄りも彼女と一緒にいる事がここちいいのでしょう。今まで泣いていたり、ご飯を食べさせられないと怒っていたり、していても、気持ちをおちつかせることが出来るようです。彼女の関わりがうまい秘訣は、相手の気持ちを知ろうと言う気持ちが人一倍深いところにあります。業務優先ではなく“関わり”優先の彼女の姿勢はいつも私たちのお手本です。そんな彼女の提案で先月、事業所内で“関わり”について丁寧に考えることを1ヶ月間行いました。最後の職員のアンケートでは、全員『関わりってどういうことなのかを、意識して仕事ができるようになった。大変だったけど立ち止まって考える機会をもらえてよかった』と、彼女に感謝しており、職員皆でスッテプアップできたと思います。一人ひとりの関わりが変わったので、やらなければいけない仕事(業務)は以前と同じくやっているのですが、ホームには穏やかな時間がゆっくり流れている感じが増しています。1ヶ月の振り返りミーティングで彼女が、「今まで理念は暗記していた感じでした。けど今は違います・・うまくいえないけど、はい」と言って微笑みました。法人の理念が自分の理念になったのではないかと思います。こんな素敵な彼女を推薦いたします。

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