清山会グループからのご案内

ナラティブRBA奨励賞

2008.09.09

2008年7・8月MVP受賞 グループホームけやき 齋藤亮英主任/GHいずみの杜 職員一同

■推薦者:グループホームけやき 佐藤政博課長
■対象者:グループホームけやき 齋藤亮英主任

今回は当事業所の主任です。老健で長年経験を積み、2年前に「将来的に私の後釜となる人材が欲しい」と某課長にわがままをいって、異動となりました。 初めの1年は老健との違いを肌で感じ、小規模という土俵の中でどれだけ利用者さんの内面や、深層心理を理解できるかということと、事業面では必須資格であるケアマネージャーに合格してもらうことを主眼において、あまり細かい業務を押し付けずにゆっくりと成長を待ちました。一年後、彼は見事にノルマを達成、私の期待以上に利用者さん個人々々の思いに寄り添ったケアを行い、ケアマネもとりました。今年に入ってからは責任をかぶりたがる上長(私)の習性を反省し、少しずつ現場の主導権を任せつつ、私が不在の時にでも混乱がないよう管理面や相談業務などについてOJTしていますが、一言一句聞き漏らさず、逆に言葉の足りない私の発する意味を自分なりに消化して、倍以上理解していると感じています。事業所の看板を常に意識した責任感は相当なもので、自分が20代の頃と比較すると「ねっからの福祉人間だなあ」と日々関心し、安心して任せています。 基本的に私の長所でもあり短所でもある仕事を断らない(断れない?)ところを忠実に受け継いでおり、各種委員会やら研修のお膳立てやら行事の企画やら外部との関わりやらケアプランやら新聞づくりやら、暇なく黙々と取り組んでいます。 先日、私は恥ずかしながらダウンしてしまい、独居のため周囲からの強制で診療所に一泊するという失態を犯してしまいましたが、彼はぐったりした私に「なんとかやりますので心配せず休んで下さい」と話し、下着とパジャマを置いていきました。ロックを愛する人間はパジャマなんて着ないんだよと思いながら彼が帰った後、水を飲めない苦しさと彼のやさしさに涙が出ていました。 以前は不正を許さないその理想主義が評価の分かれるところでもあったのですが、今でもその姿勢は保ちつつも職員の和に重きを置き、的確に判断して事業所をまとめています。  今回は、か細い声量、昭和初期の文学青年的風貌、人の心を思いやれる繊細な性格の彼を推薦させていただきます。


■推薦者:GHいずみの杜 川井丈弘係長
■対象者:GHいずみの杜 職員一同

約一ヶ月に渡る99歳のKさんのターミナルケアを通し、事業所の全職員が心から関わり、感じ、学び、成長したと感じています。 「(傍に)寄り添う」ことの大切さを再認識し、ごく自然に職員達の素直な気持ちでそれが日々実践できていると感じた一ヶ月でした。Kさんが、6月上旬より体調を崩されました。病院へ運ばれた際に、病院でできる治療とグループホームで可能な治療がほぼ一緒だという話がでた時に、職員達は「ホームでみたい」「これからも傍にいたい」という強い気持ちで一杯でした。相談を受けた私も同じ気持ちでした。ご家族さんと私達の気持ちが幸い同じ方向を向いていたので、その日の夕方、利用者さんはグループホームへ再び戻ってきました。その日から医師・看護・グループホームの職員みんなによる終末期のケアが本格的に始まりました。 職員達が一番大切にしたいこと。それは何もなくても「(傍に)寄り添う」ということでした。限られた人数の中で、この大事にしたい想いと向き合いながら、他の利用者さん達とも如何にして今まで通り関わりを保っていけるのか。 気付いたら毎日、仕事が終わったあと、みんなKさんのベッドを囲んで遅くまで手を握り、話しかけ、寄り添う毎日が続いていきました。ただ、遅くまで残って「傍にいたい」という気持ちばかりが先にたち、次の日に疲れが残ったりし、他の利用者さん達にも、その内ご迷惑をかけてしまう時もでてくるのでは・・・と、皆少しづつ感じはじめていたのも事実です。熱い想いの裏側に潜むデメリットを何とかせねば・・・。 緊急ユニット会議を呼びかけました。みんなでKさんに常に寄り添えて、他の利用者さん達との関わりを如何に保っていくか。勤務体制を今の利用者さん達の現状に合わせよう!という話になり、早番は一時間早く、遅番は昼過ぎから出勤し、みんなが寝静まる頃までの時間での対応で試みる事としました。一つのユニットの事としてではなく、ユニット間で協力し合える事を洗い出し、ホーム全体の事として全員で支えあう意識の芽生え。 外出が最近できてないと感じた時、隣のユニットスタッフがユニット合同で一緒に利用者さん達を連れてドライブへ連れていく姿も増えた気がします。 これらのさりげないサポートが一人ひとりに芽生えているからこそ、今一生懸命頑張っているKさんの傍に私達は寄り添えるのだと感じました。 約一ヶ月間、一生懸命頑張ったKさんが7月中頃に残念ながらお亡くなりになりました。一ヶ月間、御家族及び親戚とスタッフが交替交替で協力して傍に寄り添い、過ごした事はかけがえの無い大切な時間だったと思います。葬儀にはスタッフ、そして利用者さん達も多数参列してきました。その中で感じた事。共に過ごした一ヶ月の絆でしょうか。葬儀に参列した皆がひとつのチームKさんになっているような雰囲気を私は感じました。 葬儀後も四十九日まで手作りの仏壇へお線香をあげたりお供えをする利用者さんや職員達。先日四十九日が過ぎ、メモリアルコーナーへと移りました。 「傍にいたい」「一緒にいたい」その想いを叶えるべく、日々支え合う事業所。今後もこれが受け継がれていってほしいという願いも込めて職員全員をMVPの推薦とさせて頂きます。そして、ありがとうKさん。

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