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ナラティブRBA奨励賞

2010.11.09

2010年10月MVP受賞 介護老人保健施設いずみの杜 職員全員

■いずみの杜診療所 川井丈弘さん
■対象者: 介護老人保健施設いずみの杜 職員全員

今月は私の中では老健いずみの杜を事業所としてMVPの推薦をさせていただきます。老健いずみの杜は夏から急な退職などが重なり、私の力不足で二名の欠員が埋まらないまま早三ヶ月が経ってしまいました。二名といっても小規模老健なので、その痛手はかなり大きなものがあります。どのような状況であれ必死に頑張らざるを得ない、夜勤回数もぐっと増え、疲れもとれずそんな日々を毎日送っています。そんな状況の中、二階のどかユニットでは、他の法人さんでは対応が難しいかもしれない利用者さんの受け入れは、必ず前向きな姿勢で対応し、いつのまにか人員が減るのと反比例するかのように、ユニットの半数の利用者さんは、かなり個性派でつわものぞろいになっていました。三階なごみユニットは職員が少ない中、職員のラインナップは一年目二年目の職員さんたちばかり。本当は色々先輩に教わりたい時期でしょう。経験のあるリーダーも時には力を抜きたいときもあるでしょう。でも、日々新しいことを感じながら、お互いに学んで支えあいながら一人一人が成長していっている。どこの事業所も同じだと思うので、理由にはなりませんが、どちらのユニットにも立てば転倒してしまいそうなお年寄り、認知症の症状も色々で、その方その方に合わせた個別的な関わり。マンツーマン対応の方も何人かいる中で、手薄になりがちなしっかりされているお年寄りとの関わりも、今は最低限のことしかできていないかもしれないけれど、みんなしっかり考えている。バタバタな時間帯もある中でも彼女ら、彼らはしっかりぶれていない大切なものを持っていました。それは「想い」です。こんなことを言うと、「川井さん、人が少なすぎてやりたいこと未だ全然できてません」と怒られちゃいますが、そんな中でもホームラン級の関わりを見せつけてくれたエピソードがあったのでご紹介したいと思います。この期間、老健開所以来入所していた100歳を迎えたばかりのお婆ちゃんの看取りの時期でもありました。お元気なときから「下(一階)さ、連れてってけろ」と毎日いっていたお婆ちゃん。ご自宅は町内にあり歩いて7、8分といったところ。私たちの力不足で今まで一度もご自宅へ帰るところまでご家族のご理解も得られぬまま月日は過ぎ、看取りの時期を迎えておりました。担当職員の想いとそれに賛同する仲間たち。明日にもどうなるかわからない状況の中、「せめて一度だけでも」とご自宅への外出許可を頂けないかと、無理なお願いとその想いを先生にお話をしにいきました。もちろん、きっとどの先生でも同じ判断だと思います。でも、今までの想いを精一杯伝えていました。それは一人の想いではなく、介護スタッフみんなの気持ちであり、関わっている看護・リハのスタッフも一緒に「いけたらいいな」って気持ちがひとつでした。結果、翌日お許しを得て念願のご自宅へいき、ご家族さんも「こちらの部屋もどうぞ」といつも居た場所へ案内してくださいました。お婆ちゃんの反応もよくとてもよかった出来事でした。結果もすごいけど、その過程と、そして「老健とは」という部分で今後、「今」を生きているお年寄りへどう関わり、どう共に過ごしていくべきか沢山のことを私も含めて考えさせられた貴重なこの期間を、共に過ごした仲間たちに、誇りと感謝の気持ちをこめて月間MVPに推薦させていただきます!チームの体制が整わない中でも、ひたむきに毎日頑張っている仲間たちへ贈らせてください。どうか宜しくお願いします。


■介護老人保健施設いずみの杜 鈴木樹江さん
■対象者: 介護老人保健施設いずみの杜 職員全員

「 その時・その瞬間を大切にし、行動におこす」 このことを今回私は老健スタッフから学びました。 100歳を迎えた佐藤○○さん、元々少食ではあったが、この頃はめっきり召し上がらなくなってきた・・・・そんななかでの癌発見。「最後までここで過ごして欲しい」という御家族の希望もあり、いずみの杜で最後まで過ごして頂く事になりました。 最近のいずみの杜の現状では、きちんとしたターミナルケアが出来るだろうか?密かに心配はしつつも今出来る事をしていくしかない、、、職員不足、マンツーマン対応者の増加でめまぐるしく過ぎていく毎日。そんな中でも○○さん・・・・ばぁちゃんの声にならない声に耳を傾け、「今自分達に出来ることはなにか?」を考えて行動するスタッフに「たくましくなったな~」と感動していました。 そんな中「やっぱり、ばあちゃん家に帰りたいと思う」みんなの心のなかにくすぶっていた思い・・・。今までも何度かご家族にお話ししていたが、なかなか良いお返事が頂けず断念。「今度こそは・・」スタッフの熱い思いばあちゃんの思いが届きOKの返事に俄然スタッフの鼻息も荒くなりました。 しかし、○○さんの体調はいつどうなってもおかしくない状態。「どうする?どうする?」迷っている時間はない。ばあちゃんの最後の時は刻々と迫ってきている。なんとか了承を得て、全職種スタッフといざ帰宅。目をキラキラ生き生きとさせ、自宅の一つひとつの家具、写真を見てはうなずく姿にスタッフの目頭は熱くなりました。 奇跡の帰宅から数日後○○さんはいずみの杜でお亡くなりになりました。 本当に最後の最後に○○さんの願いを実行出来て良かったと思います。この帰宅に至ってはたくさんご迷惑もかけましたし、課題もあります。自分達の想いだけで突っ走ってしまったところもあるし、もっと早くに行動に移すべきだったかもしれません。今回の真のMVPはいろんな事を教えてくれた○○さんのような気もしますが、たくさんのことを○○さんから学んだいずみの杜 職員一同をMVPに推薦致します。

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