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ナラティブRBA奨励賞

2011.05.10

2011年3・4月MVP受賞 さくらの杜通所リハビリテーション 介護 嶋崎美由紀さん

■推薦者:介護老人保健施設さくらの杜 鈴木徳さん
■対象者:さくらの杜通所リハビリテーション 介護 嶋崎美由紀さん

震災の最中で、大河原地区のみなさんを推薦したいところですが、その中でも一際、課や事業所を超え利用者さんを守り、笑顔を忘れず、自分の役割を柔軟に取り組んでいた彼女を推薦します。 3月11日の大地震。道路状況や家族の情報なども全く入らない中で、無事に送り届けなければならない利用者さんは多数。はじめは状況がわからず本当に送り届けても良いのかと迷う中で、理事長からの明るいうちに送迎をというメール。彼女はすぐに「わかりました。行ってみます。」と力強い返事をくれました。本当は我が子をすぐに迎えに行かなければならなかった状況を後回しにしてくれる「強さと優しさ」。やっとの思いで我が子を迎えに行ったのもつかの間。残った利用者さんの対応や職員の家族の心配など、みんなの不安を取り除く動きを始めました。そこから我が子とともに連日泊まり込みながら昼夜を問わずに、普段とは全く違う役割を全うし、彼女の周りには常に「安心」という空気が作られていきました。普段であれば、通所のリーダー的な存在として、チームをまとめる主役を務める彼女ですが、全く勝手のわからない利用者さんや入所の職員が相手でも臆することなく、裏方の動きを行いながら、それでもしっかりとチームをまとめる輝きを放つ。こんな状況でしたが、やっぱりリーダーを行える人は、どんな役割をやりながらでもチームを自然とまとめてしまうものなんだと改めて感じさせられました。 それでも、自分の部署である通所リハの早期再開に向け相談すると、「明日からでもいいですよ。」と力強い一言。次の日からケアマネさんや利用者さんへの電話連絡を笑顔で行い(電話越しにも伝わるくらい)、とりあえずやってみましょうの声かけには本当に救われた想いがしました。普段はその我慢できない性格から、多少の小言があるはずも、この度の際には、そんなことは一つも聞かれない。彼女自身にも大きな人在育成の期間になったのだと思います。本当に強く、優しくなったと思います。 この間に自宅の官舎は引っ越ししなければならない家庭の両立は本当につらく、大変なものだったと思います。それを微塵も感じさせず、利用者さん、職員、家族を本当に必死に守ってくれた彼女を、私は胸を張って推薦したいと思います。


■推薦者: いずみの杜診療所 田中しなのさん
■対象者:介護老人保健施設いずみの杜 介護支援専門員 千葉由美子さん

3/11に仙台から東松島の自宅へ戻れず、一時行方不明になった彼女は、全くの他人の方の携帯からメールをし、無事を知らせてくれた。再会して間もなく、彼女から一生忘れられない、大切な手紙をいただいた。それは、避難中の3/13に避難所の車の中で彼女が書いたものだった。津波警報が出て役場に避難した際、死を覚悟する中で頭の中を入所調整中の利用者さんの事がよぎり、私に託したいという内容だった。おそらく、自分に何かがあっても手紙が私のところに届くようにと封筒には老健の住所や名前が書かれていた。その手紙には、利用者さん、ご家族、先生への気遣いが細やかに書かれていた。そんな状況で書いた手紙の中にも、大変な時に老健に行けないことや残ったスタッフへの気遣いなど彼女らしい言葉がたくさん綴られていた。独りで死を覚悟した状況の中でここまで仕事に真っすぐに、真剣に向き合えるだろうかと、他人を思えるだろうかと彼女の姿勢に改めて感激した。 その後、浸水したアパートを出て、デイホームでお泊りしながら仕事復帰してくれ、被災された方や、緊急入所される方の調整に、日々悩みながら今日まで来た。 彼女が入職された昨年の10月以来、相談員としての彼女のあり方の素晴らしさはもう言うまでもないと思う。利用者さん、ご家族、スタッフ含め皆が温かい気持ちに包まれてきた。彼女の接遇、対応、調整力は他の模範となり、真似たくても出来ない彼女らしさが輝いている。そして、その温かい大きな力は震災後も変わらず、いや、さらに私たちを支えてくれた。また一緒に仕事が出来る喜びと、彼女の存在に感謝の気持ちを込めて推薦させていただきます。

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