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ナラティブRBA奨励賞

2018.08.30

2018年8月ナラティブRBA賞受賞 介護老人保健施設さくらの杜 伊藤 洋子 さん

大地ユニット村田町出身のMさん91歳。
先日、○○の杜夏祭りでMさんの切り漬けを出店しました。
普段のMさんは「こんな身体になってダメだ。あと10若かったらだけど何にも出来ない・・・ダメだダメだ~。」と後ろ向きな事が多い。
だけど漬け物の話しになると「近所の人達に食べれってやると、やっぱりMちゃんのはうまいなぁって言われてたの。お祭りで出すんだったら切り漬けがいいよ。野菜を細かく切ってやれば早く漬かっから。」と凛として何か楽しそうに語る。
「家に漬け物のこと書いたノートあるんだ。」と話されたら、スタッフが面会に来られた弟様に相談するとすぐに探して何冊も⁉︎持って来てくださった。
随分年季の入ったノートでどこに書いてあるか分からない。Mさんはノートを枕元に置いたまま漬け物のことを話してくださる・・・いう事で早速始動開始だ。
切り漬けを出店するにあたって守ることは"Mさんの切り漬けを忠実に再現すること"。
野菜は白菜、人参「見栄えがいいんだ」、きゅうり。調味料はアジ塩「普通の塩じゃなくてね」、味の素「味が出るんだ」、砂糖「甘みあった方いいんだよ」で決まり。
「漬けるのは重しは要らない。ザックザックと混ぜればいい。前の日でいいんじゃない。」との事。
それから3ヶ月・・・その間「ダメだダメだ~、手も動かないんだから。出来ないよ。」と言われることも多かった。
そんな時は、Mさんに材料や作り方の確認をして本当にやるんですアピールをし、また祭り前日と当日のスケジュールや、Mさんとスタッフと出店にでる方向案をお伝えしてモチベーションを維持して頂き、
祭り間近スタッフ手作りの看板を見たMさんは「本当にやるの?」と嬉しそうに笑っておられた。
いざ前日・・・ホールテーブルにザルやボール、野菜を広げ切り方混ぜ方を教えてもらう。女性スタッフがMさんを囲んで準備する様子は・・・町の料理教室⁉︎花嫁修行⁉︎いやいや婦人会でしょう!と、とても楽しいひと時でした。
最後はMさんの調味加減・・・「もうちょっと砂糖だな。」でバッチリ決まりました。
夏祭り当日Mさんは出店にて・・・「どうぞ食べてってください。」と勧めて、美味しいですとたくさん声を掛けられ「こんなにいっぱい人来てくれてなぁ。ありがたい。」と泣いておられました。
私たちも準備がどうにか間に合った事の達成感と、Mさんの漬け物の美味しさに感動しました!そして来られた方もご利用者も・・・いつもより皆んな笑顔いっぱいに感じた夏祭り。
これからも一人一人の出来ることを信じて・・・。一緒に出来ること、楽しむこと・・・本当に良いです。

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