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ナラティブRBA奨励賞

2018.08.30

2018年8月ナラティブRBA賞受賞 杜の家ゆづる 梅村 卓也 さん

今回は、GHみやぎの杜に勤めていた時に出会った、Hさんについて書かせて頂きます。
Hさんとの出会いは、H22年8月26日、私がGHみやぎの杜に異動となった時からの事です。
Hさんは、向陽台に一人暮らしをしており、結婚はせず一生懸命働いていたそうです。年を重ねるにあたり、財布が盗まれた、誰かが来る、
そして体調不良で入院(手術)などがあり、向陽台包括より相談があり、SSみはるを経緯し、H22年8月16日GHみやぎの杜へ。
子供がいない為、キューちゃん(キューピー人形)を子供の様に育て、いつも一緒にいました。
GHみやぎの杜での生活が始まったHさんと私。同時期とも会って意気投合!!!
終始笑顔が見られる事が増えてきました。
Hさんは、私の事が気に入った様です^^
『バカ^^』と冗談半分、笑顔で言う姿をいつも思い出します・・・・
そんな笑顔がステキなHさんでしたが、笑顔がなくなる日がありました・・・
それは、H24年8月GHみやぎの杜で夏祭りが行われた時の事です。
(私個人の事でしたが、ドッキリ?サプライズ?発表がありました。)
夏祭り途中に、司会が私に回り、重大発表があります・・・・・
それは・・・・・・・
『私、結婚しました!そして家も建てました!』と
皆さんは、全く知らなかったので、『え・・・・・・????????』と同時に、
悲鳴の声~~~~~!!!!!!皆さんの表情が一変したのが今でも印象的です。
驚かせる形になり、申し訳ございませんでした・・・(苦)
夏祭り途中、Hさんが、体調を崩し部屋に・・・後で知りましたが、私が結婚したのが、ショックだった様で、体調が悪くなったそうです。
これは、石川GMや一緒に働いていた職員に今でも言われます(笑)
夏祭り終了後、Hさんに、『黙っていてごめんなさい』と伝えましたが、Hさんは、『知らない』と表情が怒っており、いつもの笑顔はありませんでした。
その後何を話しても、Hさんは『知らない・・・』と浮かない表情をする事が多くなりました。
Hさんはあまり男性と付き合った事が少なかった様で、本気で私の事を思っていた様です。職員との会話で、Hさんの気持ちをどうにかしなくてはいけない・・・と。
職員がHさんの行きたい所を聞き、『映画を見たい』と言う事で、気持ちが変わればと思い、私と二人きりのデートへ☆☆!!
利府のMOVIXに映画鑑賞、その後Hさんが好きな回転寿司を食べ、最後に紅葉シーズンでしたので、紅葉を見ながら、デザートを食べて帰宅。
Hさんは、満足した様で、笑顔が復活^^その後は、いつもの笑顔のHさんと いつも通りの『バカ^^』と(笑)
数か月後、向陽台包括より連絡があり、Hさんの家に猫が入り、問題になっているのでどうにかしてもらいたい。Hさんと一緒に家に行き、掃除をしたり、自宅の庭の手入れについて色々考えたりしました。
そんなHさんとの生活を数年送りましたが、終わりが見えたのは、H26年4月、私たちの事業所に異動。Hさんは『あんたなんかいなくてもいいよ。ね~キューちゃん!』と言いながらも少し寂しげな表情・・・
異動後、GHみやぎの杜夏祭りのヘルプにいくと、
『私を置いていったのね・ あんた分からない、ねーキューちゃん^^』と冗談半分言いながら笑顔が戻るHさん。その後、職員より『Hさんが会いにいきたいと言っているので、
杜の家○○にいっていいですか?』と何度か言われましたが、お互いの都合が会わずに数年が経ち、Hさんの状態も変わってきました。
『ご飯を食べなくなってきている、人を手で払う事が増えてきている』とGHより連絡あり、『梅村さんが来たら笑顔が増え、戻るのではないですか?』を言われ、顔を出しに^^。
その時は、笑顔が見られましたが大きな変化はなく・・・・そんな日が続き、H30年5月位、石川GMより、Hさんがしたい事は『梅ちゃんに会いたいと・・』顔を出してもらいたいと要望。
6月上旬にも橋本さんから、『Hさん今日調子が良く起きて化粧もしているので顔を出してもらいたい』と連絡が・・・。
その時、私が体調を崩してしまい、落ち着いてから会いに・・・・Hさんその日行けず、すみませんでした。
Hさんに会いに行けたのが、6月中旬頃。職員と私が冗談を言い『バカ・・・』と笑顔で言ったのが最後の言葉でした。その後も、時間を見て顔を出して行きましたが、日に日に状態悪化。
7月15日、石川GMより、血圧が50台になってきている。顔を出してもらえればと連絡あり・・・
その矢先、H30年7月16日、妹が神奈川に住んでおり、夜行バスで早朝仙台に到着し、妹さんがGHみやぎの杜に連絡した時、安心したのかその後お亡くなりになられました。
石川GMより連絡があり、急いでGHみやぎの杜へ・・
Hさんに顔を出すことが出来、穏やかな表情と同時に、
息をしているのではないか?と思ってしまう自分。
もう少し一緒にいたいと思う自分。
もう『バカ・・・』と言ってくれない現実・・・
そんな思っている最中、葬儀屋さんが到着。
皆さんでお別れを・・・・・ 
Hさんともう少し会えたのでは?と悔やでいる自分がいます。
【最後にHさんへ】
Hさんとの歩みはとても深い物だったと思います。
Hさんと出会い、私も楽しかったです。
今後もHさんが笑顔で暮らし、またどこかで会えればと思っております。
Hさん、お疲れ様でした。
そして本当にありがとうございました。

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