清山会グループからのご案内

震災復興メール

2011.08.30

水島蘭

皆さんお疲れ様です。気づけばもう、8月も終わりですね。今年の夏は、震災から一気に変わった環境についていくのに必死で、月日が経つのがいつもよりも早く感じます。しかし、「あれがしたかった。」「これもしたかった。」と思える生活が取り戻せただけでも、ありがたく、日常に戻っている感覚になります。
 先週の上村さんや、大崎さんのメールでもありましたように、おかげ様で、3階の復興が無事に済み、やっと利用者さんにも、いつもの生活が戻ってきました。しかし、復旧はまだまだであり、現在はフロアにシートが覆われ、ドリルの音の響く中、部屋の無い利用者さんが40名近く生活していることも事実です。この状態から、止むを得ず、せっかく希望の杜のご利用を望まれた利用者さんにも、お断りしなければならない事もありました。認知症専門棟の利用者さんにとっては、3月から1カ月単位で寝る場所を変えられ、生活リズムを変えられ、居場所を変えられ・・また、9月には棟の反対側へのお引っ越し・・・。相当のストレスを強いられています。私たちは、今、愚痴も言えるようになり、疲れていても休む家があり、ストレスを解消できる方法を見つけられています。でも、ストレスをうまく表現できない、認知症の利用者さんにとっては、10月までの期間、我慢して、つらいことの表現もできないままの生活が続くのかと思うと、天災であったとしても申し訳なく思い、せめて、何もかもが変わってしまった中でも、唯一変わらない、馴染みの職員の笑顔が、少しでも救いになってもらえるように、一緒に乗り越えていければと思う毎日です。
 今回は、嫌なことばかり多かったこの震災の中でも、世間でも言われているように、希望の杜の「絆」についての話にお付き合いください。
 「利用者目線で関わり、人と人とのつながりを大切に共に楽しもう。」「原点に還れ!見せてやれ!!絆と底力!!!報連相で一致団結」これは、今年度の2、3階のフロア目標です。震災をきっかけに2階、3階での共同生活が始まりました。これまでももちろん各階協力して来ていたつもりでも、初めて一緒に仕事を共にする人たちもいたり、利用者さんの状態をわからなかったりの中、当初は不安や戸惑い、各自これまでのフロアで行ってきたことの主張などもありました。しかし、時間が経つにつれ、一般棟の職員は認知症専門棟の利用者さんに癒されていたり、認知症専門棟の職員は一般棟の利用者さんと一緒に盛大なレクレーションができたり、各階を超えて、初めて1つになれた気がしています。
フロアが離れた今でも、帰りに互いの階を行き来する職員がいたり、職員の補充を快く手助けしてくれたり、チームとしてまとまって来たように思えます。通所や事務の職員とも気軽に話しができる職員も増えてきました。
 各階ごとに利用者さんのカラーがあり、各々が仕事に誇りを持ってきたことも素晴らしい事だったけれど、逆にそのことで融通が利かなくなっていたり、周りに目を向けることが難しくなってきていたこともあったのかもしれません。どんな病気や症状があっても、私達が1人1人個性や、性格が違ってくるのと同じで、一般棟の利用者さんも認知症専門棟の利用者さんも、みんな同じ人間であり、そして、階を関係なく、1人の人として向き合える機会になったのではないかと感じています。そして階ごとの目標ではなく、入所全体の目標が生まれました。今現在も申し送り後にみんなで読み上げ、目標を共有しながら気持は以前よりも増して、強く1つに感じられます。
 今、フロアが離れ、寂しさも少し感じながらも、もう地震はこりごりです。もう絶対に3・11は経験したくありません。けれど、今はあの時よりも間違いなく、団結力が深まり、協力し、信頼し合える仲間が増え、きっと、これから何があっても、みんなと一緒なら大丈夫!!って言い聞かせられる自分に、自信も取り戻せたように思うのです。(くどいようですが、でも地震は嫌・・・。)
まだまだ、希望の杜の日常を、みんなで喜べる日は先です。今も毎日環境が変わる中、職員も、利用者さんも窮屈な毎日に変わりはありません。けれど、私達の新しい、そして深まった「絆」で、たくさん笑って、うまく表現できない利用者さんたちに、その笑顔を伝えることで「大丈夫だよ。」って安心感を持って頂けるよう、みんなで守っていきたいです。
ありがとうございました。
 PS 次のお引っ越しは9/9です!!頑張ります!!

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