清山会グループからのご案内

震災復興メール

2011.05.19

佐藤由香(事業支援室)

【おにぎり】 ■震災のあと、地域包括支援センターでは、お年寄りのお宅を訪問して、安否確認をしながら水とおにぎりを配っていました。地域包括は、お年寄りが可能な限り住み慣れた自宅や地域の中で暮らしていけるように、具体的なサービスについて検討することはもとより、その方と地域を繋ぐ上で様々な相談に応じています。ご家族や地域の方との交流関係などかなり深い部分まで掘り下げ(心を開いていただきながら)、その方が地域で実際に暮らしていく中で必要なこと、例えば買い物だったり、住んでいるお宅の修繕だったり、病院通いであったり、多方面から困り事を解決できるように一緒に考えていくところです。街との関わりというところで、私の好きな事業所の一つ。そんな地域包括の職員さんの息子さんが、お母さんは事務所で電話番があるでしょうと言って、他の職員さんと一緒に何件もお宅を徒歩で訪問してくださったそうです。お話をうかがって、とても温かい気持ちになりました。 ■突然ですが、私は数年ぶりに少しだけ体重が落ちました。とある競技の選手をしばらくお休みしていたのですが、現役復帰して3年。その間、試合の度になかなかちょうどいい具合に仕上がらなくて(とはいえ1~2㎏程の微調整)なんでかなぁと思っていたのですが、原因は一つ。食べてたんですね、わたし。震災時、老健いずみの杜でおにぎりを握ってくださいました。ありがたいことに仲良く娘と一緒の出勤。待ち焦がれたお昼の時間、物欲しそうな娘の痛い視線に、ママはもうお腹いっぱいだからと、おにぎりを半分わけてあげれば完璧な震災ダイエットです。サバイサバイを我慢した支援室Tさんとともに仲良く体重を減らした佐藤ですが、Tさん?その後どうなりましたでしょうか? ■電気の復旧を機に、大活躍だった我が家の炊飯器、電気ポット、ホットプレート。五目ご飯のおにぎりを持って避難所にいる両親を訪ねた際、土台しか残らない元実家で、美味しそうに食べる両親の顔を見たとき、ホッとするやら何やら。でも、ただただ空虚感に苛まれていました。春の日差しは変わらなく降り注いでいるのに、風は変わらず頬をなでていくのに。震災前に帰省した際、いらないという私の車に、珍しく強力気味に乗せてよこしたホットプレートは、予感してたのかな?お母さん。 ■望郷の想いとは、永遠のものなのかもしれません。目を閉じれば、そこには私を育ててくれた家があり、街があり、自然があります。そこでは、道端にたんぽぽが咲き、バッケ(ふきのとう)が花開いています。海辺で輝く日差しは、セロハンのように青い海を眩しく煌めかせています。私はだからこそ、不安を抱えながらも、父や母には地元気仙沼に残って故郷の再建に尽くして欲しいと願い、だからこそ同じようにこの地に暮らすお年寄りに、地域の中で支え合って生活する自由をと思うのです。 ■不安の中、娘と一緒に出勤させていただいたことのありがたさ。娘と老健でシャワーをお借りするとき、脱衣場のヒーターをそっとつけてくださった職員さん。大変な時期に、法人で提供いただいたおにぎり。いずみの職員さんたちが握ってくださったおにぎり。同じ企画の森さんも、おにぎりを握ってきてくださいました。 ■縁をむすんだおにぎりは、私たちを繋いでいきます。「縁むすび」がなかったら、小林さんにお話していたと思います。清山会でもおにぎり屋さんをやってみたいですよね?でも素敵なことに清山会には、すでにあるんですもんね。様々な想いを忘れずに胸に刻み、おにぎりを口にする度に、噛みしめながらこれからを生きたいと思います。 ■余談ですが、競技と申しましたのは、実は武道「空手」です。興味のある方はぜひご連絡ください。加茂中学校の武道場で毎週木曜日に練習しています。先日、実家より700m離れたがれきの中から道着を着ている子どもの頃の私の写真が1枚見つかったとか。水が上から下に流れるように、自然の流れに身をまかせつつ、それでもゆっくりと進んでいけたらと思います。数多くの方々のありがたい想いや優しさを胸にしながら。
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